ドラフトの戦略1

〜色のかぶりを防ぐ〜


【−−−】 ← ドラフトの戦略 → 【第2回


ドラフトではただ単に強そうなカードばかり取っていても、上手くいかないことがあります。
その最たる原因の1つが、「隣が自分と同じ色を集めていたので、強いカードが流れてこなかった」という現象、いわゆる「色のかぶり」です。

ドラフトにも相手がいます。
他の人も当然、強いカードをピックしますから、隣と色がかぶってしまうと、相対的に不利になります。
また、たいてい1回戦は、机で自分の向かい側に位置するプレイヤーと対戦することが多いです。
たとえ上手く妨害して、隣の人のデッキを弱くすることに成功したとしても、自分のデッキが弱くなってしまうと元も子もありません。


色のかぶり

通常のセットでは、隣と色がかぶらないように注意してピックします。
(※ アラーラ・ブロックなどは、色ではなく、断片の区分で見たほうが良いので例外)

強いデッキを作ることを考えた場合、自分が白をやりたくても、状況によってはピックする色を変える必要が出てきます。

たとえば、自分の右側に位置するプレイヤー(上流)が、白青を集めていて、さらに自分から見て2つ右隣のプレイヤー(上の上)が白赤を集めていた場合、1パック目と3パック目のときは、まず自分のところには良質の白のカードは流れてきません。白をあきらめるのが賢明です。

問題は、上が何色をピックしているのかをどうやって知るか、です。
しかも有効なピックを進めるためには、なるべく早く知った方が有利です。

ドラフトでは、自分がピックするカードだけでなく、他の強力なカードにも目を向けましょう。何色のカードが多く流れてくるか。色に偏りがある場合は、来ない色は上に取られていると考えてよいです。

対策 〜色の住み分けを意識する

(1) 色が決まらないうちは、特定の色マナを多く要するカードを避ける
・具体的には、ダブルシンボルの《マラキールの門番/Gatekeeper of Malakir》や、多数の山が必須の《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》などは避ける。
・仮に色がかぶって色を変えざるをえなくなった場合でも、強力なカードであればタッチ・カラーとして使うことができるので、ピックがムダになりにくいです。

(2) 自分が目星をつけた色の良質なカードは、下に流さない
・「色主張をする」とも言い、下がある程度ドラフトのスキルを持っている場合に有効です。
・強さ的にはそこそこのものであっても優先してピックすることで、下のプレイヤーがその色をピックするのをあきらめるよう仕向けます。上手く下が読んでくれたならば、2パック目でその色のカードを多く流してもらえるはず。
・上とかぶっていそうだと気づいた場合は、早めに色を変えましょう。(1パック目の後半に差し掛かっていたら、変えない方が無難です。)

(2)’ 自分がやらない色のカードは、優先的に下に流す
・下にやってほしい色のカードを見かけたら、多少点数が高くとも、問答無用で流し、下と協力して色の住み分けを目指します。
・ただし、下がこちらの意図に従ってくれるかどうかは別の問題なので…うまく行かないこともあります。

(3) 色変えは早いうちに
・1パック目なら4〜5手目に流れてきた強力カードに注目したい。この頃に強力なカードが流れてくる場合、上がその色をやっていないケースが多い。
・それ以降だと下流に良いカードをかなり流したあとであることが多く、下と被りやすい。そうなると、わざわざ色変えするメリットが減ってしまう。

流れ

隣とうまく色をかぶせず共存できたとしても、卓内で同じ色をピックしているプレイヤーが多ければ多いほど、有効なカードが自分のもとに回ってくる頻度が下がります。
ある程度ドラフトが進むと、人気のある色・そうでない色がわかる場合があります。
(セットによって起こりやすさが異なります)

誰も取っていない色をピックした場合、強いカードを独り占めできるので、デッキの完成度が上がります。
そのため、途中から色を変える戦略も場合によっては有効です。

対策 〜流れを読む

(1) 2パック目を開けて間もなくが狙い目
・こちらの色変えは判断が難しいので、詳しく書くことができないのですが……
左(下流)のプレイヤーも「人気のない色をスルーする」という判断をした場合、それらがごっそり流れてきます。この場合、3パック目においてもその色のカードを集められる可能性が極めて高いため、色を変えても十分に割に合うでしょう。
・それ以外のタイミングでは、管理者のGRの場合、色を変えずに見送ることが多いです。誰かが同じように色変えをしていた場合、逆にデッキが弱くなりかねないので。色変えは計画的に。

【−−−】 ← ドラフトの戦略 → 【第2回




'Blinkmoth'トップへ戻る