ゼンディカー・ドラフト環境の解説




ゼンディカーは こんなセット


 上陸のシステム

ゼンディカーは土地がテーマ。「上陸」のシステムを持つカード、それらと相互作用するカードも多い。
・インスタントタイミングで土地を出せるカードが緑に存在。このシナジーはコンバットトリックにも使え、有用。
  《砕土》《カルニの心臓の探検》など。
・土地を含むパーマネントを手札に戻せ、再利用できるカードと組み合わせてもよい。
  《生きている津波》《コーの空漁師》《カルニの宝石》など。
・対抗色フェッチランドは、レア枠だが、同じターン内に上陸能力を2回誘発させることができるので強力。色マナ安定はもちろん、上陸能力の有効活用のためにも積極的にピックされる。
  《湿地の干潟》など。

 主なデッキ構成

大別すれば、序盤で一気に押し切って勝つか、序盤に守りきって勝つか。
・環境はとにかく早い。「低マナ域でデッキを組み、序盤からクリーチャーを展開してそのまま勝負を決する」という構成のデッキが強い。1〜2マナ域の攻撃クリーチャーの点数が高くなっている。
  《崖を縫う者》《サラカーの匪賊》《ゴブリンの近道抜け》など。
・中速デッキを組むにしても、序盤を耐える構成にしておかないと、素早いデッキに対処できない。序盤から出せるタフネスの大きなカードは、時間稼ぎに重宝する。
  《クラーケンの幼子》《ニッサに選ばれし者》など。

 同盟者

同盟者シナジーがなくとも ある程度の働きをする同盟者カードは多いので、独占するのは困難。
しかし、集まった部分だけ相互作用が強くなるので、同盟者を固め取りする戦略もある。
緑の土地サポートとあわせ、3色以上でデッキを構成してもよい。
・軽くて成長するものを優先すると良い。
  《カザンドゥの刃の達人》《ウマーラの猛禽》《オラン=リーフの生き残り》など。
・他の同盟者を助けるので、単体では弱めの同盟者もピックできるのが強み。
  《石造りのピューマ》《オンドゥの僧侶》など。

 飛行

対策カードが少ないので、飛行は有効。
・パワーが3を越える飛行クリーチャーが少ないため、2/3の飛行クリーチャーによって攻撃の流れを止められる、という展開になりやすい。特に《コーの空漁師》《吸血鬼の夜鷲》
・対策には《蜘蛛糸の網》などがあるが、なかなか止まらない。

 威嚇

かなり有効。相手と色が違えばまず止まらない。
《石造りのピューマ》で一応止まるが、ダメージレースに持ち込んで勝負するのが一般的か。

 除去耐性

・1点ティムが不在なので、有用なタフネス1はどんどん採用してよい。
・3点の除去は皆無なので、タフネス3はおおむね安泰。ただし戦闘では、《板金鎧の土百足》を筆頭に、序盤から2/2、2/3や3/3が攻撃に来る。
・パワー4以上のクリーチャーは少なく、序盤のタフネス4は除去が困難。0/4の《クラーケンの幼子》などは、攻撃を防ぐにはうってつけ。
・「黒でない」ことを条件とする除去は《忌まわしい最期》のみで、黒だから安心ということはない。

 エンチャント・アーティファクト

対策が必須というほど強力なものはないが、白・緑に対策カードが整っており、割られやすい。

 参考リンク:
・重要ポイントを押さえるなら
リミテッドガイド:ゼンディカーの基本(日本語公式ウェブサイト)
・主要アーキタイプの解説など
三田村リミテッド研究室:ゼンディカードラフト編(日本語公式ウェブサイト)


デッキ色の選択

単色のカードが多いため、デッキは2色を中心にまとめたい。
1色でのピックを狙うなら、赤単が頭1つ抜け出ている。緑や黒もあり。

 白

軽量クリーチャーが揃っているものの、色拘束が強いカードも多いので、デッキ構成を速くしたいのなら黒とは共存しにくいか。
除去があるとはいえ数が多くないため、単色にするメリットはあまりない。
飛行持ちは通りやすいが、パワー3を越えるものは少ないので、一度攻撃が止まるとクリーチャーのサイズで押し切られやすい。

 青

コモンに飛行クリーチャーが多いため、殴り合いに持ち込みやすい。
しかし強いカードは限られているため、十分な数の飛行クリーチャーが確保できないと厳しい構成になることも多い。メイン色にするには心許ない。タッチ推奨。

 黒

タッチでも使いやすいため他人と被りやすく、単色ピックは状況次第。
強いカードが多いため、悩ましいピックになることがしばしば起こる。

相手ライフが10を切ったときに活躍が見込めるクリーチャー群があるので、速攻戦略が有効になることが多い。速攻デッキを作るのならば、青黒または黒赤が有効。
白黒は低マナ域に色拘束の強いカードが多いので、また黒緑は低マナ域のカードの選択肢が少ないので、いずれも中速向けのデッキ構成になりやすい。

 赤

現実的な単色デッキが組める。赤は、単色デッキでないと効果を発揮しにくい、色拘束の高い強力カードも多いため、うまく嵌まればかなり強力なデッキを組める。
ただし、逆に言えば、単色に近くないと強さが発揮しにくいことでもあり、うまく周りと共存できるピックができるかが重要。

 緑

コモンには重いカードが多いので、速いゼンディカー環境では不遇。
得意とするマナ加速で、いかに重いカードを早く出せるかが前提となる。
単色に近い構成にして、《大木口の幼生》《原初の怒声》などで一撃必殺を狙える。飛行を擁する青との相性が良い。
《オラン=リーフの生き残り》《ニマーナの売剣》といった同盟者を含む、緑黒の中速デッキも組みやすく十分強力。


警戒すべきカード

(良く見かけるアンコモン・コモンのうち、アドバンテージを取られやすいもの)

 白

《落とし穴の罠》 (W)
《飛来する矢の罠》 (1W)
 使えるマナが少なくとも、罠への警戒は必要。
《精霊への挑戦》 (W)
 白クリーチャーがプロテクションを得る。一方的に討ち取られやすい。

 青

《召喚士の破滅》 (2UU)
 クリーチャーが付いてくる分、デッキに入りやすいカウンター呪文。
《鞭打ちの罠》 (U)
 2体バウンス。

 黒

《見栄え損ない》 (B)
 黒相手で警戒すべきコンバットトリック。
《マラキールの門番》 クリーチャー(BBB)
 こちらのクリーチャーが1体だと、有無を言わさず生け贄に。
《湿地での被災》 ソーサリー(BBB)
 タフネス2以下が全滅。
《精神ヘドロ》 ソーサリー(4B)
 沼の数に注意。手札壊滅のおそれあり。

 赤

《松明投げ》 クリーチャー(3RR)
 2点ダメージ。
《ゴブリンの近道抜け》 クリーチャー(1R)
 ブロッカーが1体のみだと、攻撃を全部通されてしまう。
《ゴブリンの奇襲隊》 クリーチャー(RR)
 全員パワー+1、速攻持ち。

 緑

《砕土》 (2G)
 上陸能力でP/Tに修整を受けるクリーチャーが多く並んでいるときには注意。
《巨森の蔦》 (G)/(GG)
 (G)で対象にならなくなる。(GG)でさらに+4/+4。
《原初の怒声》 (G)
 相手の緑率が高いと、バカにならない修整を受ける。攻撃をうっかりスルーすると危険。


各種シナジー



 参考リンク:
・《オラン=リーフの出家蜘蛛》と《飛翔する海崖》
「明日から使える!」渡辺リミテッド・コンボ術 第3回 ボラーレ・ヴィーア(飛んでいきな)(日本語公式ウェブサイト)
・《電撃力》と《ゼクター祭殿の探検》
「明日から使える!」渡辺リミテッド・コンボ術 第2回 祭殿の探検は電撃力(日本語公式ウェブサイト)
・《未達への旅》と《命拾い》
「明日から使える!」渡辺リミテッド・コンボ術 第1回 君が望む未達への旅(日本語公式ウェブサイト)



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